

- 企業規模
- 100名-300名
しかし、近年は人口減少や人手不足など、地方ならではの課題が、業務の継続性や効率に直結するようになってきたといいます。
特に、情報収集や製品選定、法令対応といった「専門知識を要する業務」では、ベテラン社員への依存や属人化が避けられず、業務の引き継ぎや標準化に苦労する場面も多く見られました。
そうしたなかで同社が取り組み始めたのが、現場目線のDXです。
派手なシステム導入ではなく、「必要な情報に、誰もが、迷わずたどり着ける環境」を整えるという、一歩ずつの改善。そのアクションとして選ばれたのが、Sotasでした。
今回は、同社の経営企画室 室長 中西 観大様、技術開発部 技術開発課 課長 松浦 亮様にお話を伺い、Sotasデータベースの導入の背景や、業務にどのような変化が生まれたのかを詳しくご紹介します。聞き手はSotas代表の吉元です。
導入の背景から、現場のリアルな活用まで
吉元(Sotas):本日はお時間いただきありがとうございます。
さっそくですが、Sotasデータベースをご検討いただいた背景についてお聞かせいただけますか?
松浦様(四国化工):こちらこそありがとうございます。
当社では、化学品に関する情報の調査や確認が属人化している点が課題でした。営業や開発、品質管理など複数部門で同じ情報を活用する場面が多いにもかかわらず、それぞれがどの情報を選べばいいのかを迷うことが多く、情報の所在や信頼性が明確ではありませんでした。
吉元:わかります。「あるけど、どれが正しいか分からない」という状況ですね。
松浦:はい。だからこそ、全社で共通して「ここを見れば間違いない」と言える情報基盤が必要だと感じました。
Sotasデータベースは、営業・技術・調達・品質など、いろんな部門で一気通貫して使える構成だったのが、大きなポイントでした。
中西様(四国化工):加えて、SDS、TDS、chemSHERPA、それぞれの法規制の適合性などを、一元管理し、誰もがアクセスできる“ナレッジデータ”を構築したいという思いがありました。
現場では、「技術からもらった情報」と「品質管理からもらった情報」の間に、違いがあること自体が混乱を招く要因でした。
情報は存在しているけれど、散在しており“使える情報”にはなっていない。
そんな状況を変えていくために、「ここを見れば確かな情報がある」という環境を構築する必要がありました。
吉元:それぞれの部門での具体的な活用方法を教えてください。
松浦様:たとえば、SDSやTDSの取得だけでなく、世界中の原材料の検索、再生樹脂の販売チャネルとしての活用、外注先のBCP確認、さらには教育用途にも使えると感じています。
また、インジェクション成形など、新規テーマの情報収集にも活用しています。
吉元:まさに“調べる力”が、開発の推進力になりますね。
松浦様:そうなんです。あと、Sotasデータベースは「どこまで元の情報にさかのぼれるか」という点も非常に魅力的でした。
Googleのような汎用検索では余計な情報も多くて、欲しい情報にたどり着くのが難しいこともありますが、 Sotasは必要な情報にまっすぐアクセスできる、“垂直検索”ができる印象でした。
中西様:それに、最近では生成AIのように情報を自動でつくり出す技術が発達してきているからこそ、「どの情報が本当に正しいのか」が問われる時代になってきていると思います。
Sotasのように信頼できるデータベースがあること自体が、これからは大きな付加価値になってくると考えています。
吉元:まさにおっしゃる通りですね。
情報が氾濫するいまだからこそ、「確かな情報に、すぐにたどり着ける」ことの価値はますます高まっていると思います。
松浦様:たとえば、使っていた樹脂が廃番になると、同等性能の代替品の評価・採用までに、想像以上の時間とコストがかかり、事業の継続は果たせても顧客への還元や利益とはなりません。
しかし Sotasデータベースを活用することで、開発者が自ら代替品を調査し、より高性能な材料を知り、新しい発想のきっかけにつながることで、「廃番=ピンチ」ではなく、「廃番=チャンス」に変えていきたいと思います。
能動的に情報へアクセスできるようになったことで、知見も広がり、選択肢も確実に増えました。
吉元:廃番対応のような“守り”の局面こそ、次の“攻め”につなげるチャンスなんですね。
Sotasデータベースがそのきっかけになって、開発者の方々が自ら調べ、選び、広げていける環境が作れているなら、本当にうれしいです。
“情報の力”が、現場の発想力や推進力になっていく―まさに、私たちが目指していた姿です。
最終的な決め手は、“ここにしかない可能性”
吉元:中西様にもぜひ伺いたいのですが、最終的にSotasをお選びいただいた“決め手”というのは、どのようなところだったのでしょうか?
中西様:率直に言えば、「可能性を感じたから」です。
Sotasは、これまでにない視点で化学業界の課題に取り組まれており、正直、「こんなサービスがあったのか」と驚きました。
吉元:ありがとうございます!“これまでになかった”というのは、具体的にどんな部分でしょうか?
中西様:まず、今までのサービスは「すでにある情報を整理する」のみで、「既存の仕組みをデジタル化する」に留まっています。
しかしSotasは、業界全体の在り方を動かそうとしている。実際に“アクション”が起きている。これは、単なるツールではなく、我々が一緒に育てていける仕組みだと感じました。
吉元:“育てていける”……とても嬉しい言葉です。
中西様:正直なところ、「株を買わせてほしい」と思ったくらい(笑)。
それくらい、Sotasがこれからグロースしていく未来が明確に見えたんです。
吉元:それは光栄すぎます……ありがとうございます!
中西様:もう一つ大事なのは、四国化工のステージを引き上げてくれる存在だと感じたことです。
これからの化学業界で重要なのは、“いかにサプライヤーの輪を広げられるか”。
Sotasは、そのハブになり得る。
我々としても、Sotasとのパートナーシップを通じて、社内外のネットワークをより価値ある形で広げていけると思っています。
吉元:まさに、私たちが目指している未来像とぴったり重なります。
これからも、しっかり伴走させていただきます!
「話が通じる」、だから信頼できた
吉元:導入の際に不安だった点や、実際のサポートについて感じられたことはありますか?
松浦様:導入にあたって、もちろん操作面や浸透の不安はありましたが、Sotasさんのサポートはすごくスムーズでした。
オンライン中心のやりとりでしたが、こちらの質問にも即座に対応いただけて、全体的に安心感がありました。
吉元:ありがとうございます。導入時の社内説明や研修のような部分もご一緒できたのが良かったです。
中西様:少し別の話になりますが、実は当社では、Sotasさん以外のサービスもいくつか併用しています。
その中で感じたのが、「話が通じないことのストレス」です。
こちらは専門的な質問をしているつもりでも、担当者が理解しておらず、やり取りに時間がかかる。
正直、「分かってないな」と感じることもありました。
化学の領域では、会話が噛み合わないこと自体がリスクになる。だからこそ、“通じる”相手と仕事ができることの安心感は大きいと感じています。
Sotasさんの場合、化学や製造の現場に対する知見が豊富なので、我々からの依頼や課題に対する理解度が高いと感じる場面が多かったです。
導入時の質問も、「そこを聞いてくれるんだ」と思うくらい、視点が現場に寄り添っていました。
吉元:化学の専門性は、やっぱり私たちの根幹なので、そう言っていただけると本当にうれしいです。
中西様:結局、「操作性や費用対効果」だけでなく、「この人たちと長く続けていけるかどうか」が、サービス導入のポイントと考えています。
その意味で、“Sotasさんは話が伝わる”ということが、導入までがスムーズだった大きな理由のひとつです。
イメージが湧いた時点で、すでに一歩前に進んでいる
吉元:実際に導入いただいた後、社内での変化や感じられている効果などがあれば、ぜひ教えてください。
松浦様:冒頭で申し上げた、情報は存在しているけれど、“使える情報”にはなっていない。という状態だったものが、Sotasデータベースによって使える情報になりつつあることが大きな一歩だと感じています。
中西様:まだすべての機能を使いこなせているわけではありませんが、社内のメンバーの中に「こういう使い方もできるかもしれない」という発想が生まれ始めている。
その変化こそが、私たちにとっては非常に大きな前進だと感じています。
結局のところ、どれだけ優れた仕組みを整えても、現場に「使う意味」が伝わらなければ定着しません。でも今は、ツールが“単なる情報の保管庫”から“事業を前に進めるための資源”として認識されはじめている。
そうした意識の変化が芽吹いてきたことが、これからの我々の成長にとって、とても心強い兆しだと思っています。
吉元:本当に、そうですね。
たとえすぐに大きな変化が見えなくても、「この情報はこう活かせるかもしれない」と誰かが気づいた瞬間から、組織はもう、静かに、でも確実に前に進みはじめているのだと思います。
私たちSotasが目指しているのは、そうした“変化のきっかけ”をそっと渡せる存在であることです。これからも、現場の声に耳を澄ませながら、共に未来をつくっていけたらと思っています。

経営企画室 室長 中西 観大 様
技術開発部 技術開発課 課長 松浦 亮 様