

- 企業規模
- 100名-300名
創業以来、地元の雇用と産業を支える存在として、ものづくりに真摯に向き合ってきました。
しかし近年、地方企業ならではの人材不足や業務継続への不安が顕在化する中で、同社が直面していたのは、「知見の属人化」という課題でした。
中でも、製品に含まれる化学物質の調査や管理業務は、専門知識に加えて法令改正への継続的なキャッチアップが求められる一方で、社内での認知度は決して高くない仕事。
にもかかわらず、製品の信頼性や企業の責任を左右する、まさに「縁の下の力持ち」でした。
そうした“見えにくいけれど、なくてはならない仕事”に誇りを取り戻すため、同社が選んだのが Sotas化学調査 です。
今回は、同社の経営企画室 室長 中西 観大様、サスティナビリティ推進課 課長 山口尚美様にお話を伺い、Sotas化学調査の導入の背景や、業務にどのような変化が生まれたのかを詳しくご紹介します。聞き手はSotas代表の吉元です。
見えにくい仕事に、誇りを取り戻すために
吉元(Sotas):山口さんは長年、化学物質調査に携わってこられたそうですね。
どんな思いを抱えて業務に取り組まれていたんでしょうか?
山口様(四国化工):率直に言えば、化学物質調査って社内であまり目立たないし、理解もされにくい仕事だと思っています。
あるとき、同僚から「人がいやがる仕事をしてくれてありがとう」と言われたことがありました。
その言葉は嬉しくもありましたが、同時に、
苦労は伝わっても、仕事の価値までは伝わっていない
という現実にも気づかされました。
吉元:化学物質調査って、ミスが許されないプレッシャーもありますし、法規制が改正されるたびに調査し直さなければならないなど、業務負担も非常に大きいですよね。
それだけ重要な仕事でありながら、社内での認知とのギャップがあったのは、とてもつらいことだったと思います。
山口様:さらに言えば、お客様から「この法規制が改定になるので、調査をお願いします」と言われることもあって、ありがたい反面、
「本来は、こちらから“すでに対応済みです”と先回りしてご報告できる体制でありたい」
という思いが強く、もどかしさを感じることもあります。お客様のご期待に応え、法規制を確実に遵守しながら、より高い満足につなげていきたいという理想とのギャップに悩むことが多々あります。
中西様(四国化工):化学調査への取り組みについては、当初は半信半疑でした。
導入を検討していた段階では、中身も完全に理解できていたわけではなく、社内でもSotas化学調査の採用優先度はそこまで高くなかったです。
しかし、経営企画室としても人的資本の最適化やDXを進める中で、環境調査は属人化が進んでおり「改善すべき課題」と認識していた分野でした。
また、山口が“やってみたい”という強い想いを持っていたため、属人化を解消できる可能性があるなら「チャレンジしてみよう」ということで契約させていただきました。
“やりたかったこと”ができると確信した
吉元:そんな中、Sotas化学調査を知っていただいたのは、2年ほど前でしたよね。
山口様:はい。当時、最初に資料を拝見したとき、「方向性はすごくいいな」と感じました。
でも、その時点では、まだ機能が私たちのニーズには追いついていない印象がありました。
ところが昨年、Sotasデータベースの導入を検討する中で、Sotas化学調査の機能についても改めてご説明いただく機会があり、
「ものすごいスピードで進化している」と実感したんです。
吉元:そう言っていただけて、本当に嬉しいです。
Sotas化学調査に決めていただいた理由を、改めて教えていただけますか?
山口様:はい。決め手は、「ここなら、自分がやりたかったことが全部できる」と確信できたことです。
私がずっと目指していたのは、
・製品に含まれる成分を整理できること
・その成分に関連する法規制をすぐ把握できること
・法規制が変わったときに、どの製品に影響があるかすぐ分かること
こうした“双方向で管理できる調査環境”を、ずっと作りたかったんです。
それまでは、私自身が手作業で、通称「命の台帳」と呼んでいた資料をまとめていました。
各製品の成分をExcelで管理し、SDSに書かれていない情報も、別途メモして…
でも、それは属人的で、再現性のない仕組みでした。
Sotas化学調査を見たとき、
「あ、私がやりたかったことが、ここにはもう全部ある」と感じたんです。
吉元:それは…最高の褒め言葉です(泣)
私たちが「現場に寄り添いたい」と思ってつくってきたものが、そうやって受け止めてもらえたこと、本当にうれしいです。
山口様:もちろん、Sotas化学調査ならではの法規制の網羅性や、改正通知の自動配信機能なども助かっています。でもやっぱり一番大きかったのは、
「このツールは、自分の仕事の本質をちゃんと理解してくれている」と思えたことです。
いくら機能が揃っていても、使う人の業務が理解されていなければ意味がない。
そういう意味で、Sotas化学調査は、“現場の目線でつくられている”と感じました。
命の台帳が仕組みとして動きはじめた
吉元:導入後、実際にどのような変化を感じておられますか?
山口様:まだ導入して間もないのですが、すでに大きな期待を持っています。
たとえば、これまで月に約51時間かかっていた化学物質調査の工数が、23時間程度まで削減できる見込みです。
でも、最も大きな変化は、
属人化していた情報が、“仕組み”として受け継がれはじめているという実感です。
これまでは、製品ごとの成分情報や調査結果、SDSに載っていない補足的な情報まで、すべて手作業で集めて、Excelで管理してきました。
言うなれば“一子相伝”のような状態で、誰かがいなければ成り立たない業務だったんです。
そうした情報を私は“命の台帳”と呼んで、地道に蓄積してきましたが、
今、その「命の台帳」が、Sotas化学調査というかたちで受け継がれ、進化しようとしていると感じています。
これからは、人に依存せず、誰もがアクセスできて、同じ目線で動ける仕組みが整っていくはずです。
現場の知見とツールがつながることで、調査の信頼性もスピードも、次のステージに進んでいける。
そんな手応えを感じています。
調査を、企業価値を支える“花形の仕事”に
吉元:今後、Sotas化学調査にどんな役割を期待されていますか?
山口様:
たとえば、急な調査依頼があっても、
「もう調査済みですから大丈夫です」と即答できるようになりたいんです。
そうなれば、お客様から「四国化工さん、やっぱりしっかりしてるね」と、信頼していただけると思うんです。
調査業務は一見裏方に見えますが、営業活動や製品提案を支える重要な役割を担っていると実感しています。
私は、法規制対応や化学物質管理などの分野が、企業の信頼性や品質を根底から支える“要”であると本気で思っています。目立つことは少ない業務かもしれませんが、その影響力は非常に大きく、将来的には“花形”と呼ばれるような存在になっていけたらと願っています。
これからの時代、
「品質に厳しい会社」「責任あるものづくりを行う会社」
そんな評価の背景には、こうした基盤となる業務の確かさがあるべきだと感じています。
Sotas化学調査には、その根幹となる“命の台帳”として、
会社の信頼を積み重ね、ブランド価値を支える存在であり続けてほしいと願っています。
中西様:この取り組みは“守り”ではなく“攻め”だと思っています。
競合より私たちが先んじて取り組み、グローバル対応を含めて、顧客に対して一歩先をいく提案ができる企業でありたいと思っています。
調査業務のレベルそのものが、お客様への付加価値に直結するため、
「化学物質調査や環境調査において、四国化工との取引は安心できる」と、対外的にもしっかりPRしていきたいと考えております。
そういう意味でも、Sotas化学調査には大変期待しております。
ともに、「伝わる仕事」へ
吉元(Sotas):山口さんのお話をうかがって、本当に胸が熱くなりました。
裏方である調査業務が、こんなにも深い責任と想いを背負って行われていること、
その「伝わらなさ」に葛藤しながらも、信念をもって仕事に向き合われていることに、
心から敬意を抱きました。
そして、そのお仕事にSotas化学調査が少しでも力になれているのであれば、
こんなにありがたく、嬉しいことはありません。
「自分がやりたかった仕組みが、ここにある」
そう言っていただけたことは、Sotasの開発者として、一生忘れられない言葉です。これからも、現場で働く皆さんの「伝わらない苦労」を、「伝わる価値」に変えていけるよう、Sotas化学調査は進化を続けていきます。
中西さん、山口さん、そして四国化工の皆さま、本当にありがとうございました。
