年間約600時間の工数削減へ。金井重要工業がSotasで実現した、属人化しない化学物質管理

金井重要工業株式会社
企業概要
【繊維機器製造・販売】 金属トラベラ・ナイロントラベラ・シングルリング・焼結リング・メタリックワイヤ・トップ針布・紡毛針布・起毛針布・各種その他針布 【不織布製造・販売】 空調資材・自動車用資材・合皮基材・研磨材・生活雑貨資材・ファンデーション基材・その他産業資材 【その他事業】 医療機器の開発・製造、不動産の賃貸
企業規模
100名-300名
金井重要工業株式会社は、繊維機械部品と不織布の二つの事業を展開し、自動車、半導体、建材など幅広い業界に製品を提供しています。 今回は、同社で品質保証・品質管理・生産技術を担う品質保証グループの河井様、小竹様、野坂様に、化学物質管理における課題やSotas導入の背景、導入後の変化についてお話を伺いました。

5社のツールを比較し、SDS・chemSHERPA・法規制情報などの一元管理へ

Sotas:本日はお時間をいただき、ありがとうございます。早速ですが、品質保証グループにおいて、皆様はどのような役割を担われていますか。また、化学物質管理にはどのような体制で取り組まれているのでしょうか。

金井重要工業 河井様:品質保証グループは8名体制で、品質保証・品質管理・生産技術を担っています。そのうち化学物質関連業務に携わっているのは3名です。

グループリーダーの河井が管理方針の策定を担当し、小竹が主担当、野坂がサブ担当として実務を担っています。当初は小竹のみが担当していましたが、その後、野坂が入社して、現在の体制となりました。

複雑化する化学物質規制への対応と、属人化した管理業務が課題に

Sotas:化学物質管理には3名で取り組まれているとのことですが、Sotasを導入する以前は、どのような課題を抱えていたのでしょうか。

金井重要工業 小竹様:背景として、化学物質を取り巻く規制は年々厳しくなっています。労働安全衛生法のラベル表示・SDS交付・リスクアセスメントの対象物質は段階的に拡大しています。また、欧州向けではREACH規則の制限物質や高懸念物質(SVHC)リストが定期的に更新されるため、輸出対応の確認も欠かせません。

さらに、chemSHERPAのバージョン更新や、お客様ごとに様式が異なる独自調査票への回答など、対応すべき範囲は増え続けています。

当社では、化学物質関連の書類を年間400件以上発行しており、そのうちSDSが約100件を占めます。こうした規制強化のなかで、最新の法規制情報や材料情報を入手するために多くの工数がかかっていました。

管理はExcelベースで、担当になってから一人で業務を回せるようになるまでに1年ほどかかるなど、習熟に時間を要する属人的な状況でした。REACHなどの規制が更新されるタイミングには、お客様からの調査依頼と確認作業が集中し、通常の品質保証業務を圧迫していました。

Sotas:業務に習熟するまでに1年ほどかかるうえ、規制の更新時には依頼が集中していたのですね。そうした状況のなかで、心理的な負担を感じることもありましたか。

金井重要工業 小竹様:はい。サプライヤーに回答をお願いする一方で、お客様からは早めの回答を求められることもあり、焦りを感じる場面はよくありました。

また、改正された規制への対応漏れやSDSの記載ミスを防ぐためにダブルチェックも行っており、確認にも工数がかかっていました。間違いがないようにしなければならないという意味でも、常に緊張感を伴う業務でした。

Sotas:そうした現場での課題を受けて、システムによる「仕組み化」を本格的に検討されたきっかけは何だったのでしょうか。

金井重要工業 河井様:実は、仕組み化については2024年にも一度検討していました。しかし、当時は人手が不足しており、システムを調査する時間すら確保できず、断念しています。

その後、2025年に野坂が中途入社したことで体制に余裕が生まれました。加えて、2026年1月施行の廃棄物処理法改正により、排出事業者の情報提供義務が明確化され、WDS(廃棄物データシート)の整備が実務上必要になることが分かっていたことも、検討を後押ししました。

こうした背景から、化学物質関連業務をより効率的に進められる仕組みの導入を本格的に検討するようになりました。

5社を比較し、化学物質情報を一元管理できるSotasを選択

Sotas:仕組み化を本格的に検討されるなかで、複数のツールを比較されたと伺っています。最終的にSotasを選んでいただいた決め手は何だったのでしょうか。

金井重要工業 河井様:選定にあたっては5社のツールを比較し、そのうち3社についてはデモを通じて操作性や管理できる範囲を実際に確認した上で、Sotasに決定しました。

SDS管理に特化したツールには、他にも良いものがありました。ただ、当社が求めていたのはSDSの管理だけではありません。chemSHERPAや鉱物調査、製品仕様書など、材料や製品に関わる化学物質情報をまとめて一元管理することを考えたときに、コストとパフォーマンスの両面でSotasが最も優れていました。

具体的には、SDSやchemSHERPA、法規制判定などの情報を一元管理できること、法規制情報が自動でアップデートされ、規制について都度調べ直す必要がなくなること、さらにお客様へのメーリング機能によって書類の配布や連絡まで完結できることが決め手でした。

chemSHERPAファイルのインポート/エクスポートやSDS作成機能など、実務に即した機能が揃っている点にも魅力を感じました。

月間約50時間、年間約600時間の工数を削減。属人化の解消にもつながる

Sotas:実際にSotasを導入されて、作業時間や業務効率にはどのような変化がありましたか。

金井重要工業 小竹様:化学物質の情報収集とSDSの作成にかかる時間が大幅に削減され、月間約50時間、年間約600時間の工数削減につながっています。

特に大きいのは、これまで法規制の改正内容を一つひとつ調べて判定・反映していた作業が、自動アップデートによってほぼ不要になったことです。また、SDSの作成・改訂がシステム上で完結するようになったことや、メーリング機能によってお客様への書類の配布・連絡を一括して行えるようになったことも、工数削減につながっています。

その結果、年間400件以上の書類発行という業務量を、3名という限られた体制でも無理なく回せるようになりました。

Sotas:年間約600時間というのは大きな変化ですね。業務の進め方や、皆様の心理的な負担にも変化はありましたか。

金井重要工業 小竹様:システムが一次チェックの役割を果たす体制が整ったことで、一人で作業する場合でも安心して業務に取り組めるようになりました。

以前はダブルチェックに工数がかかっていたほか、自分たちの判定が本当に正しいのかという不安もありましたが、そうした負担は大きく軽減されています。

また、UIが分かりやすく、新しく入ったメンバーでもすぐに使いこなせる点も大きな変化です。以前は一人で業務を回せるようになるまでに1年ほどかかっていましたが、現在はそうした状況が改善され、属人化の解消にもつながっています。

Sotas:削減できた時間は、現在どのような業務に活用されていますか。また、品質保証グループ以外からも変化を感じる声はありますか。

金井重要工業 野坂様:浮いた時間は、品質保証・生産技術としての本来の業務や、WDSなど新たな法対応の準備に充てられるようになりました。

また、回答スピードが安定したことで、営業部門からも「お客様を待たせなくなった」と好評です。

「導入して終わり」ではない伴走支援。次は「すべての書類を1日で提出できる体制」へ

Sotas:導入時には、実際の運用を立ち上げるための準備も必要だったと思います。Sotasの導入支援や、運用開始後のサポートはいかがでしたか。

金井重要工業 小竹様:立ち上げの時期は野坂が育休に入っており、私一人で対応していました。そのような状況でも、Sotasチームが「当社側でやること」と「Sotas側で対応すること」を明確に切り分けてくれたほか、急がず時間をかけて対応してよい部分も示してくれたため、一人でも無理なく導入を進めることができました。

運用が始まってからも、毎月1回のフォロー面談を実施していただき、その場で新しい機能も紹介してもらえる点も非常に助かっています。導入して終わりではなく、継続的に活用度を高めていける関係が続いています。

今回の導入事例インタビューも、そうした日頃の関係性があったからこそ、「お受けしたい」とこちらから自然にお伝えできたものです。

Sotas:そのように感じていただけていることを、私たちも大変嬉しく思います。

では、今後についてもお聞かせください。導入によって業務の標準化や属人化の解消も進んでいますが、今後、化学物質管理の体制をどのように強化させていきたいとお考えですか。

金井重要工業 河井様:業務がシステム上で標準化されたことで、教育や引き継ぎもしやすくなりました。今後は、特定の担当者に依存しない、組織として持続可能な化学物質管理体制を確立していきたいと考えています。

現在、お客様からの化学物質関連書類の依頼には、営業部門を経由して約1週間で回答していますが、今後はすべての書類を1日で提出できる体制を目指しています。

Sotas:その実現に向けて、今後Sotasをどのように活用していきたいですか。また、Sotasに期待することがあれば教えてください。

金井重要工業 野坂様:Sotasはリマインド機能も充実しているため、今後は材料メーカーとのコミュニケーションツールとしても活用していきたいと考えています。

また、化学物質管理にとどまらず、品質管理業務と連動するような機能が出てくれば、ぜひ活用していきたいと思っています。

Sotas:ありがとうございます。化学物質管理の効率化にとどまらず、より持続可能な管理体制の構築に向けて、今後もSotasを活用いただければ嬉しく思います。本日は貴重なお話をありがとうございました。

金井重要工業様では、複雑化する化学物質規制への対応を、属人的な業務から組織の仕組みへと転換し、年間約600時間の工数削減を実現しました。そこで生まれた時間を本来の品質保証・生産技術業務や新たな法対応に充てながら、特定の担当者に依存しない、持続可能な化学物質管理体制の構築を目指しています。

金井重要工業株式会社
金井重要工業株式会社は、1894年(明治27年)創業のメーカーです。紡績機械の重要部品である「トラベラ」の国産化を起点に事業を展開し、現在は繊維機械部品と不織布の二つの事業を柱としています。 不織布事業では、基材の製造から二次加工まで一貫して対応できる体制を強みに、空調用フィルター「トラベロン®」「ユニクリーン®」をはじめ、研磨用不織布や自動車内装材など幅広い製品を展開。自動車、半導体、建材など多様な業界を支えています。